ただいま寄り道中

カチン・ミッチーナの備忘録

ミャンマー・カチン州訪問前に読んでおいてほしい書籍

こんにちは、おこめです。
今回は、ミャンマー、特にカチン州を訪れる前に読んでおいてほしい本をご紹介したいと思います。
現地ですぐ役立つ情報というよりも、ミャンマーという国、カチンという地域とそこに暮らす人々を理解するために読んでほしいと思うものを選んでいます。
このほか、これを読んでおいたほうがいいよ!というおススメがありましたら、ぜひ教えてください!
 
1.吉田敏弘『森の回廊』
カチン州とカチン人について知りたいと思ったら、まず迷わずこれを読んで下さい。名作です。
カチン軍との行軍記ですが、歴史、文化、社会環境、そしてそこに住む人々の思いや世界観までもが丹念に描かれています。
20年以上前の本ですが、カチンの空気感を感じることが出来るかと。
また、「中央と辺境」や「国家」等、近現代の我々が当たり前のように享受する価値観についても考えを巡らせることのできる内容となっており、そういった視点からでも一読の価値ありです。
 
2.高野秀行『西南シルクロードは密林に消える』
 同じくカチン軍との行軍していますが、こちらは先ほどの吉田氏の本とは一味違います。さながら冒険譚のよう。
様々なカルチャーショックやピンチをユーモアに描いているため、手軽に読める一冊かと思います。
電子書籍版もありますので持ち運びやすいのもいい!
 
3.田村克己・松田正彦編著『ミャンマーを知るための60章』
 
海外へ旅行なり留学なりを経験したことがある人ならば、一度くらいは手にしたことがあるであろう、明石書店の「〇〇をしるためのXX章」シリーズのミャンマー版。
環境、社会、歴史、経済、文化、食などなどがコンパクトにまとまっており、これさえ読んでおけばひとまずは概要を掴むことが出来ます。
2013年に出版されたのが今のところ最新版となっています。やや古くなっている部分もあるかと思いますが、それでも読んでおいて損はないです。
 
 
カチン州にくる前に上記3冊を読んでおけば、より訪問が面白くなると思います!ぜひ書店や図書館などで探してみてください!

”Refuge"国内避難民キャンプへ―故郷を離れざるを得ない人々―

昨日、自宅近くの”Refuge=国内難民キャンプ"を訪れました。

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一部屋で一家族だそうです。

 

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台所スペース。一家族につき一窯です。

 

現在ミャンマーには、政府軍と少数民族武装グループとの間で戦闘が極地散発的に起こっています。
とくにここカチン州ではミャンマーではラカイン州につぐ、約10万人の国内避難民がいるといわれています。
 
彼らは、生まれ育った土地を紛争によって追われ各地につくられた国内避難民キャンプでの暮らしを余儀なくされているのです。
 
ミッチーナにも多くの”Refuge"と呼ばれる国内避難民キャンプがあります。私の住んでいるところから7-8分ほど歩いたところにもそうした避難民キャンプがありました。
 
こちらへきてひと月、今まで訪れたことがなかっため生徒に連れられて実際に避難民キャンプへいってみました。足を踏み入れると、このスペースにこんなに人がいるのか!と驚くほど大勢の人が、ひしめきあって暮らしていました。
各国の支援によって作られた井戸や建物などがあり、WFP(World Food Program)の支援物資なども届く模様。
また、ひと月に老若男女問わず一人当たり9000チャットの支援金が配られるそうです。
子供たちは、この地区の小学校に通い教育を受けているとのこと。
 
実は、この難民キャンプに連れて行ってくれた生徒もまた、両親が別の地域の難民キャンプに暮らしているというのです。
 
日本に暮らしているとほとんど耳にすることのない、こうしたミャンマーのニュース。日本の報道機関は、せいぜいアウンサンスーチー氏がリーダーとなり民主化へ向かっていくんだとか、これから経済発展していくからビジネスチャンスがとか、まあその程度ではないでしょうか。
 
しかし、それも仕方ないことなのかもしれません。結局、自分の生活と大して関わりがないことに興味を持つ人は少ないのでしょう。かくいう私も、ここで暮らして初めて知ったことが多いのです。私たちは、「関係ない・知らない」で暮らしていける。
 
実際には、国連に毎年多くの金額を拠出したり、あるいはJAICAなどが活動しているため、決して無関係ではないのすが。
日本はあまりにも国連ODAについての教育がされていないというか、国民が学ぶ機会が少ない気がします。
 
とにかく、今後、少しでもカチンやミャンマーのことに関心を払う人が増えてほしいと願わずにはいられません。

ミャンマーの母なる川・エーヤワディー川の始まり地・ミッソンにピクニックへ行ってきた


こんにちはおこめです。ミッチーナ市街から車で1時間ほどのところにある景勝地、ミッソンへピクニックへ行ってきました。

 

ミッソンは二つの川の合流地点となっており、エーヤワディー川の始まりの場所でもあります。ミッチーナからは少し遠くて、車なら1時間ほどかかる山にあります。ミッソン付近には宿泊施設がありませんので、ミッチーナから観光で行くのであれば往復の時間を含めて半日ほどは見ておいたほうがいいかもしれません。

 

本日は、知人の車に乗せてもらい知人家族と一緒にミッソンへ。途中、文字をもらった100年記念の塔や、お祈り施設に寄り道しつつミッソンへ。



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到着そうそうやけに真新しいパゴダに迎えられて川べりに降りました。川べりは大きな石がごろごろで結構歩きづらい!


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しかし、人々が写真を撮ったり、散策したりしている姿をみるとなんとも楽しい気持ちになります。芋煮シーズンの某県の川辺のような…。

 

川沿いは、雨季には水につかる下側と、通年人が暮らせる上側があり、どちらにも飲食店や小売店が軒を連ねていました。
お昼は、上側の飲食店でお店のお料理と持ってきたお弁当をいただきました
魚は釣ったばかりの新鮮なものでとってもおいしかったです。またイノシシ料理なども食べることができました。


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美味しいごはんに美しい景色、お金にはかえられない最高の瞬間です。

 

しかし、ミッソンの美しい景色は近い将来見られなくなるかもしれません。ミッソンは今ダム建設問題に揺れています。ダムをつくればミッソンの美しい景色は未来永劫この地球から消えてしまうでしょう。

 

知人は、政府に対して「自然がかけがえのない財産である」ということをもっと意識して欲しい、と嘆いていました。さらに、ミッソンへもっと多くの外国人がきてほしい、カチンへきて自然の豊かさを知ってもらい、共に声をあげてほしいと。

 

ミッチーナ市街地からミッソンまで来るのはやや面倒かもしれません。
しかし、ミッソン自体も綺麗なところですし、その道中もまた道路沿いに並ぶ家々からカチンの何気ない日常が垣間見えて楽しいです。
ミッチーナへ来た際は、ぜひこちらへ訪れて見てください!